果汁100%ジュースの健康リスク

果汁100%ジュースの健康リスク

山崎 麻未

管理栄養士

執筆者:山崎 麻未

大学卒業後、糖尿病専門医のいる病院に管理栄養士として7年間勤務。調理業務、献立作成、糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者への栄養指導に従事。その後、オンラインの保健指導、健康関連の執筆を主に行なっている。

甘いジュースや炭酸飲料は砂糖が入っているから飲まないようにしているけど、100%のジュースは砂糖が入っていないから健康的! そんな思いで、100%ジュースを買っている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。 しかし、100%のジュースは生の果物を食べるよりも血糖値が上がりやすく、太りやすくなることをご存知でしょうか? 今回は、100%ジュースのリスクを説明いたします。


100%ジュースは2種類あります

100%ジュースは「ストレート」と「濃縮還元」の2種類があります。
見分ける方法としては、ジュースの成分表示の部分に、
品名 りんごジュース(ストレート)
もしくは、
品名 みかんジュース(濃縮還元)
というような表示があります。
「ストレートジュース」とは、名前の通り、果物の果実をしぼり、その果汁を低温で保存して販売しているものです。
「濃縮還元ジュース」とは、果物の果汁をしぼり、熱を加えて水分を飛ばし、5~6倍に濃縮したものを、うすめて(還元して)またジュースに戻すというものです。
「濃縮還元」をすることで、長期保存ができるため、海外から濃縮した状態で輸入して日本で還元するといった方法が可能となります。さらに、1年を通して飲むことのできるメリットがあります。
しかし、熱を加えている分、酵素や、ビタミン、ミネラルが失われていることが多く、還元する時に砂糖や塩、香料を添加するものも多くあります。
そのため、濃縮還元ジュースで「砂糖不使用」とわざわざ表示されているものもあるほどです。濃縮還元ジュースはジュースの中でもおすすめすることができません。
果汁100%ジュースの健康リスク1

ストレートジュースなら大丈夫?

それでは「ストレートジュース」はどうでしょうか?
果物の果汁をそのまましぼっただけでは、菌の繁殖を防ぐことができません。
そのため、ストレートジュースも低温で殺菌しているものが多く、さらに酸化防止剤などの食品添加物を加えているものもあります。
濃縮還元ジュースに比べると、砂糖や香料などがはいっていないものがあるので、安心ではありますが、栄養素的にはあまり変わりがありません。

どうしてジュースは血糖値が上がって、太りやすくなるのか?

果汁100%ジュースの健康リスク2
りんごジュース(ストレート)100mlと生のりんご100gの栄養素を比べてみましょう。
りんごジュースに比べ、生のりんごは
カリウム 1.5倍
カルシウム 2倍
ビタミンC 2倍
食物繊維 1.9倍
生のりんごはジュースに比べ、栄養価が高いことが分かります。
その中でも食物繊維においては1.9倍も高いのですが、ジュースになると食物繊維は0になります。
実はこの食物繊維が血糖値に大きく関わってくるのです。

血糖値が上がる原因

血糖値は糖質が多くふくまれる食品を食べることで上がりますが、果物やジュースは糖質が多く、血糖値を上げやすい食品です。
しかし、果物には血糖値を上げにくくする作用のある「食物繊維」も一緒に含むため、血糖値が急激に上がることを防いでくれます。
しかしジュースは食物繊維がないため、血糖値が急激に上がる原因となるのです。
さらに、血糖値が急激に上がると、脂肪をため込む作用のあるインスリンも多く分泌されます。そのため、太りやすい原因となるのです。
果汁100%ジュースの健康リスク3

ジュースは飲まない方が良い?

普段から血糖値が高い方や、減量をしている方は、ジュースは控えて、生の果物を食べるようにしましょう。
さらに、皮に多く食物繊維が含まれている為、生の果物は皮ごと食べることをおすすめします。
どうしてもジュースが飲みたい場合は、「スムージージュース」を選ぶようにしましょう。
スムージージュースとは、果物や野菜をそのままミキサーにかけているので、食物繊維はそのまま摂ることができます。
しかし、スムージージュースは砂糖を入れて甘くしているものも多いので、カロリーなどを注意しながら購入するようにしてくださいね。
果汁100%ジュースの健康リスク4
POINT
健康に良いと思われている果物ジュースは糖分も多く、太りやすい飲み物の1つです。とり過ぎには注意しましょう。

矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。