
「よく噛む」ことはダイエットの第一歩です

管理栄養士
執筆者:山田 佳菜絵
大学卒業後、IT関連企業に3年間勤務。管理栄養士の資格を活かすべく、大手保険会社のヘルスケア事業部門に転職。
管理栄養士として特定保健指導の業務に従事する他、レシピやテキスト、リーフレットの製作や商品開発など多岐にわたり経験を積む。
現在は管理栄養士フォローアップ研修の開催や、保健指導、コラム執筆など幅広く活躍中。
皆さんは食事をするときに「噛む」という行為を意識されてますでしょうか?実はよく噛むことはダイエットにつながることが分かっています。今回はよく噛むことのメリットについての解説です。
よく噛むことで太りにくくなる
「よく噛んで食べましょう」「早食いは太る原因になります」
そんな言葉をよく耳にすると思いますし、誰かに言ったこともあるのではないかと思います。
実際に何回噛めばいいのか?
早食いとはどのくらいの早さがそれに該当するのか?
早食いとはどのくらいの早さがそれに該当するのか?
早食いだけど太っていないから、自分は大丈夫ではないか?
そんなことも考えたことがあるかと思います。
そんなことも考えたことがあるかと思います。

よく噛むことは健康への第一歩
自分の身体は食べたものから出来上がっています。
食べるという行為は、まず口から始まります。
食べるという行為は、まず口から始まります。
このよく噛むということから、身体や健康作りの第一歩が始まります。
よく噛むことが、どのようにいいのか、改めてふり返ってみましょう。
よく噛むことが、どのようにいいのか、改めてふり返ってみましょう。
噛む=唾液が出る
噛むという行動をすると唾液が出てきます。
唾液は、食べ物を飲み込みやすくするほか、栄養素を吸収しやすくするための消化酵素を含んでいます。
よく噛まないで飲み込むと、身体が食事を分解して栄養素を吸収するまでに時間がかかり、胃や腸、肝臓やすい臓など、各臓器へ負担がかかってしまいます。
また、早食いにより血糖値の上がるスピードも速くなりやすく、血糖値の乱高下が起こります。
さらに、満腹中枢が刺激されにくく、食べ過ぎた状態にならないと「満腹」と認識されず、結果的に体重増加につながりやすくなります。
このような習慣が長年続くと、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病を引き起こす可能性が高くなります。

よく噛むことで分泌される唾液のその他の作用
その他、よく噛むことで分泌される唾液には、洗浄作用や抗菌作用、
PH緩衝作用や歯のエナメル質を保護するという働きもあります。
PH緩衝作用や歯のエナメル質を保護するという働きもあります。
近年歯周病予防においても、よく噛んで唾液をしっかり出すことが注目されています。
歯周病は生活習慣病と大きく関与しております。
歯周病のリスク因子をたくさん持っている人ほど、メタボリックシンドロームのリスクも高くなりやすく、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞の危険性が高くなるなど、軽視できません。
よく噛むことは、
肥満防止
味覚の発達(味が分かるようになる)
言葉の発音がはっきりする(口やあごの筋肉をよく使うことではっきりする)
脳が発達する(血流が多くなる)
歯の予防(唾液の洗浄や抗菌作用による)
がんの予防(唾液のペルオキシダーゼによる)
胃腸が楽になる(消化を助ける)
全力投入で物事に打ち込める(何かを気にすることがない)
これらの項目の頭文字をとると「ひみこのはがいいぜ」というフレーズになります。
弥生時代で代表的な卑弥呼にちなみ、この頃の人々は固い食べ物が多かったということもありますが、食事に1時間ほど時間をかけていたそうです。
1回の食事で4000回ほど噛み、現代人の6倍は多かったと推測されることから、このフレーズをもとに、その効果と大切さについて学校や企業等で啓発されています。
よく噛むコツは?
よく噛むということを意識するためのコツとして、
1食につき20分以上は時間をかけて食べる
1口30回程度噛む
食事の間に水分を取る
あえて歯ごたえのある食材を選ぶ
時間に余裕をもつ
ながら食べをしない
味を濃くしない
たくさんの方法があります。
どれをとっても、よく噛むことへの第一歩となります。
可能であれば、食事を味わうようにすることに意識を向けてみましょう。
可能であれば、食事を味わうようにすることに意識を向けてみましょう。
硬さ、香り、味わいなどを感じようとすれば、必然的によく噛むようになりますし、時間に余裕を持ってみようとなってくると思います。
まとめ
よく噛んで食べるという、当たり前の行為ですが、ダイエットや健康の維持のためにもとても大事な行為です。
1口30回を目安に、ゆっくり食事を楽しむようにしましょう。
POINT
忙しいとつい後回しになりやすいのが食事。よく噛むことでご自身の健康を守りましょう。

医師 医学博士
監修者:矢野 宏行
糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。