糖尿病の人は風邪を引きやすい?

糖尿病の人は風邪を引きやすい?

矢野 宏行

医師 医学博士

執筆者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。

糖尿病があると風邪やインフルエンザなどの感染症に罹りやすいと言われます。また感染症に罹ると病気でない方と比べて治りにくくなることもあります。今回は糖尿病と感染症についての解説です。


糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由

人間の体は体内に侵入した病原菌を排除しようとするシステムを持っています。糖尿病があると血糖値が慢性的に高い状態が続きます。
そうするとこの病原菌を排除するシステム、特に白血球や免疫担当細胞などの働きが低下します。また高血糖状態は末梢の細い血管の血流が悪くなります。
そのため白血球などが局所の感染部位に届きにくくなります。これらの原因により、糖尿病があると感染症に罹りやすい理由となります。

糖尿病の人は感染症が長引きやすい

また一度病原菌などに感染するとサイトカインやストレスホルモンなどが分泌され、インスリンの働きを阻害し、血糖値はいつもよりも上昇します。
するとさらに白血球や免疫細胞の働きが低下し、感染症が長引いたり、重症化しやすくなります。またその間に別の感染症に罹ることもあります。
糖尿病の人は風邪をひきやすい1

感染症にかかった時の注意事項

病気をお持ちでない方でも年に数回は風邪をひいたり、お腹を壊す胃腸炎にかかったりすると思います。
糖尿病をお持ちの方は感染症が重症化しやすいため、注意が必要です。
特に発熱があるとき、食事ができない時などは食事ができないにも関わらず血糖値は普段より高い状態が続きます。
内服薬やインスリンを使って治療を続けている方はあらかじめ、これらの症状が出た時の対処方法を主治医と相談して決めておきましょう。
また感染症の中にはすぐに抗菌薬などを投与して治療を開始しなければ重症化してしまう病気もあります。
特に発熱が2日以上続く場合は医療機関を受診することをお勧めします。
糖尿病の人は風邪をひきやすい2
POINT
糖尿病がある方は季節の風邪、インフルエンザなどに罹りやすいです。
こまめな手洗いやマスクで予防しましょう。