【管理栄養士執筆】ダイエットや健康維持に欠かせない食物繊維の魅力

【管理栄養士執筆】ダイエットや健康維持に欠かせない食物繊維の魅力

川村 あかね

管理栄養士

執筆者:川村 あかね

大学卒業後、管理栄養士として総合病院に勤務。生活習慣病をはじめとした、多岐にわたる疾患に対する栄養指導を8年間経験。現在は特定保健指導、地域のボランティアにて高齢者の料理教室や乳幼児の親御さんへの栄養相談などを行っている。

現在は魅力的な文句が謳われているサプリメントやダイエット食品などが多く出回り注目を集めていますが、無理のない健康的なダイエットを実践するためには、バランスのとれた規則的な食生活が欠かせません。その中でも、食物繊維はダイエットを実現させるうえで大切な役割を担ってくれます。今回は食物繊維の効果について、ご紹介いたします。

はじめに

近年、日本人の食生活が欧米化してきたこともあり、食物繊維の摂取量は減ってきています。
食物繊維は便秘の改善や、大腸がんの予防、ダイエット効果などもあり、ぜひ毎日の食生活に取り入れていきたい栄養素です。
今回は、食物繊維の働きやそのメリットについてご紹介します。
ダイエットや健康維持に欠かせない食物繊維の魅力1

食物繊維とは?

食物繊維とは英語で「dietary fiber(ダイエタリーファイバー)」と呼ばれます。
昔は体に不必要なものと考えられていましたが、1930年代に食物繊維は便秘の解消に良いと認識され、現在ではなくてはならない栄養素として考えられています。
食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維に分けられます。
水溶性食物繊維は、果物や海藻類、こんにゃくなどに多く含まれます。一方、不溶性食物繊維は野菜や玄米、キノコ類に多く含まれます。
食物繊維は体で消化・吸収されず、エネルギー源とはなりませんが、私たちの健康にとっては重要な役割を持っており、「第六の栄養素」として注目されています。
ダイエットや健康維持に欠かせない食物繊維の魅力2

食物繊維の働きとは

ここでは、食物繊維のいくつかのメリットについて紹介します。

食後の血糖値の上昇を抑える

水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状になります。そのため、小腸での栄養素の吸収をゆっくりにしてくれます。
この働きにより、食後の血糖値の急上昇が抑えられます。
食後の血糖上昇を抑えることは、糖尿病の発症を予防することにもつながります。

コレステロールの吸収を抑える

コレステロールなどの脂質は摂りすぎると肥満やメタボ、動脈硬化の原因となります。
食物繊維はコレステロールを吸着し、排出してくれる働きがあります。
そのため、食物繊維を十分に摂ることは動脈硬化の予防になり、脳卒中や心筋梗塞のリスクを減らすことにもつながります。

便秘の改善につながる

水に溶けない不溶性食物繊維は、水分を吸収することで便の容積を増やします。
便の容積が増えると、大腸を刺激し、蠕動運動(便を外に押し出す運動)を活発にし、便通を促進します。
便秘の改善に食物繊維が重要と言われる理由はこのためです。

大腸がんのリスクと関係がある

大腸がんと食物繊維の摂取量とは関連があると考えられています。
残念ながら、食物繊維を摂れば摂るほど大腸がんを予防できるというわけではありませんが、食物繊維の摂取量が少ないと大腸がんの発生率が高まると報告されています。

日本人は食物繊維の摂取量が減っている!

このように、食物繊維は体にとってとても重要な栄養です。
しかし、食生活の欧米化により、穀類の摂取が減り、肉や乳製品の摂取が増えたこともあり、日本人の食物繊維摂取は年々減っています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食物繊維の摂取目標は成人男性が1日21g、成人女性は1日18gとされています。
しかし、平成29年国民健康・栄養調査によると、実際の摂取量は平均15g/日程度と目標に大きく届きません。
ダイエットや健康維持に欠かせない食物繊維の魅力3

食物繊維が豊富なオススメ食材を紹介

食物繊維は、穀類、イモ類、豆、野菜、果物、キノコ、海藻などに多く含まれます。
穀類であれば、ライ麦。野菜であれば、切り干し大根、ゴボウ。キノコであれば、きくらげや干ししいたけ。
豆類であれば、インゲン豆やエンドウ、あずきなどに多く含まれています。
ぜひ毎日の食事に、これらの食材を取り入れていきたいですね。

まとめ

いかがでしょうか。
食物繊維はダイエットにとっても、ご自身の健康維持にとっても大事なものです。
特に日本人は食物繊維の摂取が少なく、推奨されている量をとれていません。
ぜひ毎日の食生活に、たっぷりの食物繊維を摂るように意識しましょう。
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。