【管理栄養士執筆】脂肪肝を指摘されたら注意するべきポイント

【管理栄養士執筆】脂肪肝を指摘されたら注意するべきポイント

池田 明日香

管理栄養士

執筆者:池田 明日香

大学卒業後、管理栄養士としてSMOに勤務、治験コーディネーター業務に携わる。糖尿病、高血圧の案件を担当。その後、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに従事し、現在は食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなどで活動中。

健康診断で脂肪肝と言われたなら、それは生活習慣を見直しましょうという体からのサインです。今回は最近患者さんが増えてきている脂肪肝についての解説です。

脂肪肝とはどんな状態?

脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態
初期の脂肪肝に自覚症状はほとんどありません。
しかし、放置すると肝炎から肝硬変、肝臓がんへ進行してしまう可能性があり、早めの対策が肝心です。
肝機能の異常といえばアルコールが原因と思われがちですが、お酒を飲まなくても脂肪肝になります。
過食が原因の脂肪肝が進行した、非アルコール性の脂肪性肝炎はNASHと呼ばれ、肥満人口の増加とともに注目されています。
脂肪肝を指摘されたら、注意するべきポイント1

脂肪肝はどうしたら改善するの?

食べ過ぎや飲酒が原因の脂肪肝は、問題となっている生活習慣を見直すことが重要です。
脂肪肝を指摘された方はメタボリック症候群を合併している場合が多いのですが、肥満を解消することで脂肪肝も改善していきます。

・基本は「栄養バランスの良い食事」

まずは、適切なエネルギー量を摂る食事にすること。
そして、体を作る材料となるたんぱく質や、スムーズなエネルギー代謝を促すビタミン・ミネラルがしっかり補給できる食事をすることが大切です。

・適切な摂取エネルギーの考え方

摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っている場合、使いきれないエネルギーはグリコーゲンや中性脂肪に変換されて、体に蓄積します。
中性脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪のほか、肝臓などの本来脂肪をため込まない臓器にも蓄積していきます。
肝臓に異常に中性脂肪がたまると、脂肪肝の状態となります。
もしあなたが肥満を指摘されているのなら、まずは食べる量を今までの2割程度減らしてみましょう。
それでも体重が思うように減っていかないようでしたら、普段の食事の摂取エネルギーを再確認してみましょう。
脂肪肝を指摘されたら、注意するべきポイント2

適切なエネルギー摂取の考え方

・適正体重を計算

現在推奨されている適正体重の計算方法は、このようになります。
身長(m)×身長(m)×22(BMI)
もし、身長が172cmだったとすると、
1.72(m)× 1.72(m)× 22 = 65.08(kg) となります。

・適正体重からエネルギーを算出

自分の適正体重が分かったら、次のように適正摂取カロリーを求めます。
適正体重×25~30kcal
(※デスクワーク中心で活動量が少ない場合は25、立ち仕事が多い場合は30をかけます。)
もし適正体重が65kgの場合、
65(kg)× 25~30(kcal) = 1625~1950(kcal) となります。
これが1日に摂取してもよい総カロリーの目安となります。
外食や市販のお弁当の場合は、この適正エネルギーを頭の中に入れておき、成分表示をチェックしてから選ぶと良いでしょう。
今まで食べ過ぎていたことに気付くかもしれません。
脂肪肝を指摘されたら、注意するべきポイント3

糖質を摂り過ぎないように

脂肪肝対策の食事といえば、まずは脂っこいものを減らそうと考えますよね。
もちろん脂質の摂取量を減らすのは、肥満解消のためにも大切なことです。
それと同じくらい重要なのが、糖質の摂取量に気をつけること。
糖質の摂り過ぎは脂肪肝になりやすいことが分かっています。
ご飯は「握りこぶし一つ分」程度が適量です。
丼メニューやカレーではご飯の量が多くなりがちなので要注意。
天丼とそば、炒飯とラーメンなど炭水化物の重ね食べもオススメは出来ません。
また、健康に気を使っている方ほど果物の摂取量が多くなりがちですが、これも注意が必要です。
果物に含まれる果糖は吸収が速く、中性脂肪となりやすいのです。

アルコールは控え目に!

アルコールは飲み過ぎると、肝臓での中性脂肪の合成を促進してしまいます。
1日アルコールの適量は20g以下、これはビールなら大瓶1本、日本酒なら1合までです。
脂肪肝を指摘されたら、注意するべきポイント4
一緒に食べるおつまみも、肥満の原因となっていることが多いもの。
サラダや枝豆、お新香などの野菜メニューから食べ始めましょう。
メインは焼き鳥やお刺身など素材の味を活かしたメニューを選ぶと、脂質カットになりカロリーオーバーを予防できます。

まとめ

脂肪肝は現代の生活習慣病です。
指摘された方は、食事や運動に注意をし、体重管理が重要となります。
脂肪肝の改善のための食事は、特別なものではありません。
ご自身の毎日の食事を振り返り、まずは問題点を探ってみてください。
そして、これなら取り組めそうと思う事をまずひとつ、続けてみて下さい。必ず効果は出てくるはずです。
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。