特定保健指導について栄養士が解説します

特定保健指導について栄養士が解説します

山崎 麻未

管理栄養士

執筆者:山崎 麻未

大学卒業後、糖尿病専門医のいる病院に管理栄養士として7年間勤務。調理業務、献立作成、糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者への栄養指導に従事。その後、オンラインの保健指導、健康関連の執筆を主に行なっている。

特定保健指導とは、職場などで行われる特定検診の結果が、生活習慣病になる可能性が高いく、さらに予防効果が高いと期待された方に対して、保健師や管理栄養士の食事や運動のサポートを受けることができるシステムです。


特定保健指導をご存知ですか?

特定検診は、よくメタボ健診ともいわれています。
受診者の40歳~74歳までの方を対象としています。
その名の通り、メタボリックシンドロームの対象者や予備群の人たちを減少することを目標に行われる健診です。
よく、腹囲の大きさが、男性だと85㎝以上・女性だと90㎝以上の人が、メタボリックシンドロームだと勘違いしている方も多いのではないでしょうか。
メタボリックシンドロームとは、腹囲が基準値以上で、さらに血液検査の、血糖値・脂質の数値・血圧の値が悪く、動脈硬化などの生活習慣病になりやすくなった状態のことをいいます。
メタボリックシンドロームは、生活習慣と大きく関わっていることが分かっています。正しい食事や運動を取り入れることで、メタボリックシンドロームを改善することができるので、特定保健指導で保健師や管理栄養士のサポートが必要となるのです。
特定保健指導について栄養士が解説1

特定保健指導はどんなことをするの?

特定保健指導は、リスクによって3段階のサポート方法があります。
その1.「情報提供」
これは、特定検診を受けた全員に行うサポートで、生活習慣の改善の情報を提供します。
その2.「動機付け支援」
腹囲が基準値以上で、血液検査の血糖値・脂質の数値・血圧の値が1~2つ異常値だった場合、動機付け支援というサポートが行われます。これは、初回に管理栄養士や保健師の個別面接やグループ支援を1回行われ、半年後に電話などでもう一度サポートが行われます。
その3.「積極的支援」
腹囲が基準値以上で、血液検査の血糖値などが2~3個異常値だった場合は、積極的支援というサポートが行われます。これは、「動機付け支援」と同じで、個別面接かグループ支援を初回で行い、さらに3ヵ月以上継続して電話などでサポートを行うものです。半年後には、評価も行います。
「動機付け支援」との違いは、3ヵ月間の間に、定期的に電話などでのサポートを受けることができます。
「動機付け支援」と「積極的支援」の初回面談では、普段の食事の聞き取りや、生活習慣をどのように変えていけばメタボリックシンドロームのリスクが減っていくかの話を聞いて、最終的には食事の改善方法や、減量の計画を立てます。
面談後の電話などでのサポートは、初回面談時に立てた計画を実行しているかの聞き取りなどを行います。
最近ではパソコンやスマートフォンでの、ビデオチャットによる初回面談や、アプリでのサポートを行うものも多くなってきているので、忙しい方でもサポートが受けやすくなってきます。
特定保健指導について栄養士が解説2

健康診断の結果を振り返ってみよう!

メタボリックシンドロームの診断は、腹囲以外に、血液検査の結果が重要になってきます。自身の検診結果をもう一度見直してみましょう。

1.血糖

空腹時血糖値  100㎎/dl以上 又は
HbA1c    5.6%以上 又は
血糖に関する薬剤治療をうけている

2.血圧

収縮期(最大)血圧  130mm Hg 以上 又は
拡張期(最小)血圧  85 mm Hg以上 又は
血圧に関する薬剤治療を受けている

3.脂質

中性脂肪値    150㎎/dl以上 又は
HDLコレステロール 40㎎/dl未満 又は
血中脂質に関する薬剤治療を受けている
この3つの項目の中でいくつ該当していますか??該当数が多い程、生活習慣病のリスクが高くなります。また、喫煙歴があるとメタボリックシンドロームのリスクがより高まるので、禁煙も必要となります。
特定保健指導について栄養士が解説3

最後に

メタボリックシンドロームの状態は、数値が悪いだけで痛みがないので、危険な状態だと自覚がない方が多いです。
しかし、メタボリックシンドロームの人とそうでない人を比べると心筋梗塞になるリスクは10倍~30倍ともいわれています。
重篤な病気になる前の予防として「特定保健指導」という制度が設けられているため、指導の案内が来た場合は、積極的に特定保健指導を受けるようにしてください。
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。