高血圧の改善にはカリウムが大事な理由を管理栄養士が解説

高血圧の改善にはカリウムが大事な理由を管理栄養士が解説

中道 麻智子

管理栄養士

執筆者:中道 麻智子

大学卒業後、料理教室の運営スタッフとして勤務。主に料理講師を1年間経験。その後、委託給食会社で大量調理、献立作成、離乳食教室講師などに従事してきた。現在はオンラインでの保健指導、健康関連の執筆など幅広く活動している。

高血圧は動脈硬化の原因となり、心疾患や脳卒中などのリスクが高まるため、予防・改善すべき病気の一つです。日本人の約4000万人は高血圧であると推計されています。高血圧の改善には塩分の制限は勿論ですが、カリウムを摂取することが有効です。今回は高血圧とは何か、またカリウムはどのように高血圧の改善・予防に効果があるのかなどをご紹介します。

はじめに

日本人の3人に1人は高血圧といわれ、いまや国民病として認識されつつあります。
しかし、症状がないことがほとんどのため、高血圧患者の約半数は治療を受けていないと推定されています。
高血圧は生活習慣(食事や運動)の改善が第一ですが、なかなか継続できず、次第にいつも通りの生活に戻ってしまう人も多いのが現状です。

高血圧とは

高血圧とは、心臓から血液を押し出すときに血管壁にかかる圧力のことです。
この圧力は心臓が血液を押し出す強さや血管の柔軟性にも左右されます。
血管壁が柔らかいと血管が広がりやすいため、圧力は小さくなりますが、血管壁が硬くなると血管が広がりにくくなり、血管への圧力は高くなります。
高血圧の予防にはカリウムが大事1
高血圧は自覚症状がありませんが、放置すると心筋梗塞や脳卒中の原因となります。
そのため「サイレント・キラー」と呼ばれています。

高血圧の原因は塩分の摂りすぎ

高血圧の原因としては塩分(ナトリウム)の摂りすぎが挙げられます。
日本人は元来塩分摂取が多い国民性があります。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると成人男性の1日食塩摂取量は11g、女性は9.3gと報告されています(1)。
厚生労働省が発表した「健康日本21(第二次)」では、目標塩分摂取量8g/日以下と定めており、我々はまだまだ減塩が必要とされています(2)。
高血圧の予防にはカリウムが大事2

高血圧の改善にカリウムが大事な理由

さてそんな高血圧に対して有用なものとして「カリウム」という物質があります。
カリウムは、そのほとんどが細胞内にあるミネラルの一種です。
カリウムには体内の余分なナトリウムを排出してくれる作用があり、血圧を下げる効果があります。
ですので、高血圧の患者さんにはカリウムが含まれる食材をオススメします。

カリウムが多く含まれる食材とは

それでは実際にカリウムが多く含まれる食材について紹介します。

・野菜や豆類

ホウレンソウや春菊、ブロッコリーやアスパラガス、アボカド、大豆、インゲン豆などに多く含まれています。

・フルーツや海藻類

フルーツではバナナやキウイなどに多く含まれるのでオススメです。
また、ひじきやわかめなどの海藻類にも豊富に含まれます。
乾燥のワカメや、めかぶ、もずくなども手軽に摂れるのでオススメです。
高血圧の予防にはカリウムが大事3

・主食に一工夫!

白米に比べると玄米や五穀米などには多くカリウムが含まれます。パンはライ麦や全粒粉にすることもオススメです。

まとめ

高血圧の状態が長く続くと心疾患や脳卒中など重大な病気につながる可能性があります。
そのため高血圧は予防・改善することが大切です。
野菜や果物、海藻や雑穀に含まれるカリウムは体内の余分な塩分を体外に排出して、高血圧の改善に役立ちます。
カリウムを積極的に摂り、高血圧を予防・改善していきましょう。
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。