【管理栄養士執筆】免疫力を高める食事の工夫とは

【管理栄養士執筆】免疫力を高める食事の工夫とは

山田 佳菜絵

管理栄養士

執筆者:山田 佳菜絵

大学卒業後、IT関連企業に3年間勤務。管理栄養士の資格を活かすべく、大手保険会社のヘルスケア事業部門に転職。
管理栄養士として特定保健指導の業務に従事する他、レシピやテキスト、リーフレットの製作や商品開発など多岐にわたり経験を積む。
現在は管理栄養士フォローアップ研修の開催や、保健指導、コラム執筆など幅広く活躍中。

季節の変わり目は体にとっても負担になりやすい時期です。特に暑さ寒さの変化に体が慣れるのは時間がかかります。そんな季節の変わり目に風邪などを引きやすい方も多いのではないでしょうか。今回はわたしたちの体を守ってくれる免疫力について紹介します。

はじめに

季節の変わり目になると、風邪や胃腸炎などにより体調を崩しやすくなる方が増えてきますが、みなさんはいかがでしょうか。
そんな時に必ずと言っても良いくらい、免疫力というキーワードを耳にすると思います。
今回は改めて、免疫力とは何か、どのようにすれば免疫力が上がるのかについて、まとめてみたいと思います。

私たちの体は免疫によって守られている

免疫とは、自分と自分ではないものを区別して、自分の身体を守ろうとする仕組みのことで、遥か昔よりヒトが脈々と命を繋げていく上で獲得してきた、非常に優れた防御システムです。
免疫細胞は常に体内を監視し、侵入してきた異物に対して、いち早く攻撃態勢を整え、防衛線を張ります。
そしてその間に応援を呼び、増援が来たら攻撃しつつ異物の残骸を処理したり、次回同じような異物が侵入した際にすぐに対応できるよう、情報を記憶したりして、身体を守っています。
つまり、体を守る警察官のようなイメージです。
いろいろな役割をもった免疫細胞は、私たちが意識せずとも日々働いて身体を守ってくれていますが、これらが正常に働かなくなると、感染症にかかりやすくなり、体調不良を招くことになります。
免疫力を高める食事の工夫とは1

免疫力を高めるためには

では、免疫がしっかり働くためには、何をしたらいいのでしょうか。
大きく分けてポイントは3つあります。

1.腸内環境を整える

免疫細胞は私たちの体の脾臓や胸腺といった組織に存在していますが、一番多く存在するのは、腸です。
全体の60%くらいは腸に免疫細胞が集まっているといわれています。
なぜかというと、腸は口から肛門までを結ぶ管の一部であり、竹輪のように、体内にありながら、外界と面している管であるため、さまざまな異物と接する機会が多いのです。
そのため、免疫の多くが腸に存在しているのです。
また、腸内には約200種類100兆個以上という、とてつもない数の腸内細菌がおり、それらと免疫細胞はタッグを組んで免疫力を増強しています。
腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌、どちらにでもなれる日和見菌に分けることができます。
理想の割合は2:1:7です。日和見菌は優位になっている菌に引っ張られるので、善玉菌が優位になれる環境を作ってあげることが必要です。
そのためには、善玉菌や善玉菌の餌となるものを摂ることが大切です。
善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌などです。
これらは、ヨーグルトやチーズ、糠漬けや味噌、甘酒や納豆などの発酵食品にとても多く含まれています。
また、善玉菌の餌となるのは、オリゴ糖と食物繊維です。
これらは、りんごやバナナなどの果物、玉ねぎやゴボウ、ほうれん草などの野菜、大豆やきのこ、海藻類に多く含まれています。
特別な食材というのはなく、普段より食べているものを、なるべく多くの種類を少しずつ摂ってあげることが大切です。
免疫力を高める食事の工夫とは2

2.代謝を上げること

免疫は大体36.5度~37度くらいで活性化するといわれていますが、現代の日本人の平熱は平均で36.2度ほどといわれており、50年くらい前の平均体温より0.6度程度低下しています。
体温低下の主な原因は、筋肉量の低下です。
筋肉を維持していくには、適度な負荷をかけていくことが必要であり、1日30分程度歩くことなどでも十分に効果があります。
また、身体を冷やすような行為も体温低下につながりますので、シャワーだけではなく、湯舟につかる、温かいものを摂るなどの習慣も大切です。

3.リラックス・リフレッシュすること

過剰にストレスがかかりやすい現代ですが、なるべく睡眠時間を確保する、趣味に没頭するなどのメリハリをつけることで、リフレッシュしましょう。
自律神経が乱れにくくなり、免疫力向上につながってきます。

まとめ

季節の変わり目は特に体調を崩しやすい時期です。
免疫力を上げるような食事、生活習慣を心掛けていきましょう。
できるところから実践し、免疫力を上げて元気に過ごしましょう。
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。