
和菓子と洋菓子、あえて言うならどっちがいいの?

管理栄養士
執筆者:川村 あかね
大学卒業後、管理栄養士として総合病院に勤務。生活習慣病をはじめとした、多岐にわたる疾患に対する栄養指導を8年間経験。現在は特定保健指導、地域のボランティアにて高齢者の料理教室や乳幼児の親御さんへの栄養相談などを行っている。
おやつに食べる甘い物は、想像しただけでも幸せな気持ちになりますよね。様々な種類のお菓子が出回っていますが、そんな中からどれか1つを選ぶ時、健康のことを考えて「和菓子と洋菓子、どっちがヘルシーなんだろう?」と気になったことはありませんか?誰もが一度は頭に浮かぶそんな疑問について、徹底解説していきたいと思います。
どちらかというと、和菓子の方がヘルシーと思われがち?
わたしの個人的な感想なのですが、今まで私が栄養指導に携わった患者様の多くは「どうしても甘い物を食べたい時は、和菓子を選ぶようにしている」と考えていらっしゃる方が多い印象でした。
理由は「洋菓子に比べるとカロリーが低そうだから」。
同じように感じている方も、少なくないのではないでしょうか。
では、実際にいくつかの和菓子、洋菓子を比較してみましょう。
では、実際にいくつかの和菓子、洋菓子を比較してみましょう。

和菓子vs洋菓子、低カロリーなのはどっち?
和菓子もたくさんの種類がありますが、今回は一般的によく食べられているものを挙げてみます。
和菓子は、どら焼き、みたらし団子、最中を比べてみましょう。
それぞれのカロリーは、
・どら焼き1個(約60g)で170kcal
・みたらし団子2串(約110g)で216kcal
・最中は1個(約40g)で114kcal
となります。
それぞれのカロリーは、
・どら焼き1個(約60g)で170kcal
・みたらし団子2串(約110g)で216kcal
・最中は1個(約40g)で114kcal
となります。
続いて洋菓子は、ショートケーキ、シュークリーム、プリンで比べてみましょう。カロリーは、
・ショートケーキ1切れ(約150g)で327kcal
・シュークリーム1個(約100g)で228kcal
・プリンは1個(約100g)で126kcal
となります。
・ショートケーキ1切れ(約150g)で327kcal
・シュークリーム1個(約100g)で228kcal
・プリンは1個(約100g)で126kcal
となります。
購入する店舗やメーカーの違いで差がありますので、ほんの一例ではありますが、いかがでしょうか。個々で比較すると、必ずしも洋菓子ばかりが高カロリーというわけでは無さそうですね。

カロリー以外にも、気をつけるポイントは「糖質」と「脂質」
洋菓子が高カロリーと捉えられがちな要因の1つとして、脂質の多さがあるのではないでしょうか。
洋菓子はバターや乳製品など、脂質を含む材料を用いて作られていることが多いです。脂質は1gあたりのカロリーも高いので、使用するほどに高カロリーになります。
その他の原材料でも小麦粉や砂糖には糖質が含まれているため、いずれも摂り過ぎは体脂肪を増やし、メタボや生活習慣病につながってしまう恐れがあります。
では、やはりお菓子を選ぶなら和菓子!…とも言い切れません。
和菓子も小麦粉や砂糖が使われ、その他にもでんぷんを多く含む豆類を使った餡などがよく用いられています。これらも洋菓子同様糖質が多いため、摂り過ぎは控えなければなりません。

和菓子、洋菓子などの「間食」はほどほどに
突然ですが、皆さんは国が策定した「食事バランスガイド」というものをご存じですか?
飲食店やスーパーマーケットなどに掲示されることが多くなり、目にしたことのある方もいらっしゃると思います。
詳細の説明は省略しますが、このバランスガイドでは和菓子、洋菓子を含めた間食の摂り方について、「1日200kcal程度を目安に」「楽しく適度に」と表現されています。
和菓子、洋菓子どちらを選ぶにしても、相応に糖質や脂質を含んでいることを理解し、お楽しみ程度に適量を食べることが、メタボに近付かない食べ方といえるのではないでしょうか。
確認できるのであれば、パッケージにある栄養成分表示をチェックする習慣をつけると、日々の摂取量を意識するきっかけになり、おすすめですよ。
POINT
いかがでしたでしょうか。
以上で解説した和菓子、洋菓子の食べ方は、一般的な内容になります。
もし、現在医療機関を受診して栄養指導等を受けている場合は、医師や管理栄養士の指示も参考にしてみてください。
以上で解説した和菓子、洋菓子の食べ方は、一般的な内容になります。
もし、現在医療機関を受診して栄養指導等を受けている場合は、医師や管理栄養士の指示も参考にしてみてください。

医師 医学博士
監修者:矢野 宏行
糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。
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