いま注目の糖質制限。そのメリット、デメリット。

いま注目の糖質制限。そのメリット、デメリット。

大道 行恵

管理栄養士

執筆者:大道 行恵

管理栄養士取得後、総合病院や特別養護施設で勤務。その後英国にて修士課程を修了する。
現在も現役で病院栄養士として勤務している。

ダイエットの話となると必ずといっていいほど「糖質制限」があがります。メリットとして減量効果が期待される一方、継続できない、健康に悪影響がある、リバウンドしやすいといったデメリットも聞かれます。 今回は糖質制限についての取り組み方やそのメリット、デメリットについて管理栄養士から解説します。


糖質制限とは

ここ数年、注目されている “糖質制限”ダイエット。体のエネルギーとなる主な栄養素には炭水化物、たんぱく質、脂質がありますが、このうち炭水化物の一部である糖質を減らして、たんぱく質や脂質は好きなだけ摂って良い、というダイエット法が糖質制限です。
糖質は主に、ご飯やパン、麺類などの主食に多く含まれ、芋やかぼちゃなど一部の野菜なども糖質を含みます。
糖質制限は、複雑なカロリー計算の必要もなく、糖質のみを減らすという分かりやすさと、糖質以外のたんぱく質や脂質はたくさん食べられるので、空腹による苦痛が少ないと言う点が、このダイエット方法の大きな魅力かと思います。
糖質制限のメリット・デメリット1

糖質制限のメリット、デメリットって・・・?

普段から糖質を摂り過ぎていた方には、糖質制限することで減量の効果が出やすかったり、血糖値の急上昇が抑えられたりと言ったメリットがあります。
このようなメリットがある中、糖質制限のデメリットを心配する声も徐々に聞かれてくるようになりました。
制限しすぎる事は、ダイエットを辛いものにしてしまいますし、体調にも影響を与えることがありますので注意したい所です。
人が食事で摂取するべきエネルギーのうち、半分以上は基礎代謝といって生命を維持する為に必要なものです。
体は呼吸し、体温を維持し、心臓を動かしたりすることにたくさんのエネルギーを使っています。
特に体の司令塔である脳は糖質をエネルギー源として使います。一部たんぱく質も使うことができますが、脳が必要とするすべてのエネルギーをたんぱく質から摂ることは現実的ではありません。
実際、糖質制限にチャレンジした方から、「疲れやすい」、「集中できない」、といった声をよく聞きました。
これは糖質を制限しすぎたせいで脳をはじめとして、全身に必要なエネルギーが供給されてなかった為に起こった症状と考えられます。
また、糖質を制限し、不足してしまった脳へ送るエネルギーを補給する為に、筋肉を分解してしまうので、筋肉が痩せていってしまいます。
結果として体重は減っていても、筋肉量も減ってしまい、ダイエットしたい気持ちとは反して、消費するエネルギー量も減ってしまいます。

バランスの良い食生活を心がけよう

体重を減らすには摂取カロリーよりも消費カロリーを多くする必要があります。
痩せなかったと言う方の多くは、脂質やたんぱく質を増やしたことで結果的に摂取カロリーが多くなったり、疲れやすかったり筋肉が減ってしまった結果、消費カロリーが減ってしまったという現象が起こってしまった可能性が考えられます。
糖質制限のメリット・デメリット2
さらに、たんぱく質や脂質をいつも以上に摂取する事は、相対的にコレステロールの摂取量も多くなってしまいますし、食事の中の“おかず”の部分が増える事で、塩分の摂取も多くなる可能性があり、血液中の悪玉コレステロールや、血圧の上昇などの心配も出てきてしまいます。

糖質の注意するべきポイント

糖質は体に必要なものですが、摂りすぎは肥満に繋がりますし、血糖値のコントロールも困難になりがちです。
外食などで偏った食生活など、日頃から糖質を取り過ぎてしまっていた人や、スイーツなど砂糖をたくさん含む食品をよく食べる方は、糖質過多の食生活を少し内容を見直して、日々の小さな変化から始めてはいかがでしょうか。
例えば菓子パンからトーストに、清涼飲料水をお茶に、スイーツやお菓子を果物に変える、ラーメンの替え玉は控えるといっただけでも、過剰な糖質を減らすことができ、生活習慣改善の大きな一歩です。
特に持病のある方で、例えば糖尿病でインスリンを使用されている方、また、糖尿病で気づかぬ間に腎臓の機能が低下していた場合など、食事内容に注意が必要な場合がありますので、ぜひ、かかりつけの医師、管理栄養士に相談のうえダイエットに取り組んでいただくのが安心です。
糖質制限のメリット・デメリット3

まとめ

糖質の摂り過ぎには注意が必要ですが、大切なエネルギー源である糖質を必要以上に減らすのではなく、糖質を含む炭水化物、たんぱく質、脂質と揃った、バランスの良い食事をとり、運動を組み合わせてゆっくり体重を減らすことが、リバウンドもしにくく、健康的な生活習慣の改善方法です。
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。