三大栄養素について、それぞれの役割とは

三大栄養素について、それぞれの役割とは

水島 知美

管理栄養士

執筆者:水島 知美

大学卒業後、製薬会社の医療情報担当者として勤務。医療従事者への情報提供や患者さんへの活動支援などを3年間経験。その後、保健福祉施設にて管理栄養士として7年間勤務。高齢者や障害者などの入所・通所者のほか、保育園児の献立作成など、幅広い世代の栄養管理を担当。現在はオンラインでのレシピ作成や健康、栄養関連の執筆などを行っている。

人間の体は筋肉や脂肪、骨などで構成されていますが、これらの組織を構成しているのが栄養素です。 生命維持や身体活動を行うために必要なエネルギーの源となるのが、三大栄養素と呼ばれる「糖質」、「脂質」、「たんぱく質」の3つです。三大栄養素は数多くある栄養素の中でも、とくに重要な働きをしています。それぞれの栄養素の役割を知って、バランスよく摂るようにしましょう。

脳や神経系のエネルギー源になる「糖質」

糖質は炭水化物の構成成分です。体内に入って消化・吸収されると、ブドウ糖になって血液中に溶け込み、全身に運ばれてエネルギー源として働きます。脳や神経系はブドウ糖のみを消費するため、糖質が唯一のエネルギー源になります。また筋肉が働くためにも重要な役割を果たします。
ブドウ糖は過剰にとると肝臓や筋肉でグリコーゲンとして蓄えられます。しかし蓄えられる量には限界があり、蓄えられない分は脂肪として蓄積します。つまり糖質の過剰摂取は肥満の原因となります。
糖質の多い食事としては私たちが主食として食べている、ご飯、麺類、パンなどが挙げられます。逆に糖質が足りなくなると脳に必要な栄養素が届かなくなるほか、足りないエネルギーを補うために、体の筋肉や脂肪が分解されます。

          

三大栄養素:糖質

筋肉や臓器のもとになる「たんぱく質」

たんぱく質はエネルギーになるよりも、筋肉や内臓、髪の毛、爪などの原料として利用されます。リポタンパクとしてコレステロールや中性脂肪など、栄養素を運ぶ役割も担っています。また、体が飢餓状態になった場合には体のタンパクが分解され、エネルギー源としても利用されます。
タンパク質には肉や魚などの動物性タンパク質、大豆や豆類などの植物性タンパク質がありますが、いずれもバランスよく摂取することが推奨されています。

         

三大栄養素:たんぱく質

体の中でエネルギーを蓄える「脂質」

脂質は他の栄養素と比較し、1gあたり9キロカロリーと非常に高いエネルギーを得ることができます。脂質はエネルギーとしてだけではなく、血液や脳などの細胞膜の材料として使われたりします。体温の維持や臓器を守る役割のほか、肌に潤いを与えたり、ホルモンの構成成分としての働きもあるので、ダイエットをする場合でも減らしすぎには注意をしましょう。美しい肌や髪の毛、健康を維持するためにはある程度の脂質が必要です。しかし、使われなかったエネルギーは体脂肪となり、体内に蓄えられて肥満の原因となるので、摂りすぎもよくありません。脂質は脂ののった肉や魚、バター、植物油などに多く含まれます。

 

三大栄養素:脂質

三大栄養素をバランスよく摂ることが大切!

食べ物から三大栄養素をバランスよく摂ってエネルギーに変換し、臓器や脳、皮膚、血液などを生成する代謝を円滑に行うことが大切なのです。
特定の栄養素を多く摂りすぎるのも、少なすぎるのも、体には負担をとなります。栄養素のバランスを整えるには、できるだけ多くの種類の食材を食べるように心がけましょう。
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。