メタボってなに?

メタボってなに?

矢野 宏行

医師 医学博士

執筆者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。

最近よく耳にするようになった「メタボ」という言葉。テレビや新聞などのメディアから皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。正式には「メタボリックシンドローム」と呼ばれています。2008年より始まった「特定健診・特定保健指導」では従来の検診に加え、腹囲(ウエスト周囲径)の測定が追加されました。別名メタボ健診とも言われています。腹囲の測定は簡易的に内臓脂肪を測定する方法として利用されていますが、なぜこの内臓脂肪の量は重要なのでしょうか。

メタボリックシンドロームとは何か

別名「内臓脂肪症候群」とも言われますが、体に余分な内臓脂肪が蓄えられた状態のことを指します。内臓脂肪が増えると、脂肪細胞は肥大化し様々な悪玉ホルモンを分泌します。その結果動脈硬化を進行させることや高血圧、糖尿病、脂質異常症などの原因となることが分かってきました。
またこれらが重複すると相乗効果的に動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気を発症する危険性が高まります。
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メタボリックシンドロームの基準

 メタボリックシンドロームは、ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上がまず第一の条件になります。
その上で、
・血圧 130/85mmHg 以上
・空腹時血糖値 110 mg/dl 以上
・中性脂肪 150mg/dl 以上、またはHDL-コレステロール 40mg/dl 未満
これらのうち2つ以上に当てはまればメタボリックシンドロームの診断になります。
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なぜメタボに注目するのか

ではなぜメタボリックシンドロームの判定が大事なのでしょうか。メタボリックシンドロームはそのままにしておくと、どんどん動脈硬化が進行する病気であり、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気につながります。
そして恐ろしいことに動脈硬化が進行してもほとんど自覚症状がありません。つまり本人が気がつかないうちに危険なレベルまで病気が進行している可能性があります。
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その結果、ある日突然脳梗塞を発症し、そのまま後遺症のため不自由な生活を送ることになったり、寝たきりになり介護が必要になったりという方々を私たち医療者は多く見てきました。こちらのサイトをご覧の皆様は、ぜひメタボを放置せず、毎年の検診を必ず受けるようにしていただければ幸いです。
POINT
メタボリックシンドロームをそのままにしておくと、確実にご自身の健康を損ねます。
まずは食事内容や運動習慣を見直すこと。そして適正体重を目指してダイエットすることなどに取り組みましょう。