【管理栄養士が解説】病院の栄養指導とはどんなものか?

【管理栄養士が解説】病院の栄養指導とはどんなものか?

大道 行恵

管理栄養士

執筆者:大道 行恵

管理栄養士取得後、総合病院や特別養護施設で勤務。その後英国にて修士課程を修了する。
現在も現役で病院栄養士として勤務している。

栄養に関する情報は、インターネットを使えば様々な病気に関する情報と共に、病気のための食事療法や、人の体験談が得られます。テレビなどでも健康情報が溢れていますね。時には、友人の◯◯さんも同じ病気で、その方が病院からもらった情報があるから同じようにすれば良い、と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。


病院の栄養指導で行うこと

病院の栄養指導がメディア等で得られる健康情報と大きく違う点は、医師と管理栄養士が連携して患者さんの病状を把握した上で、患者さんの食生活やライフスタイルをふまえて、検査結果なども見ながら、おひとりおひとりに合わせて具体的で実行可能な食事療法を患者様と一緒に考えてご提案することです。
同じ病名でも状態や環境は異なります。
病院の栄養指導はまさにオーダーメイドの内容です。
継続して指導を受けていただく事ができますので、一度に無謀すぎる目標を立てる必要がなく、毎回の指導で可能な範囲から少しずつ、一歩一歩着実に目標に近づいて行くことができるというメリットもあります。
栄養指導は糖尿病、脂質異常症、腎臓病や透析中の方、胃の手術後や低栄養など様々な疾患が対象になります。
病院の栄養指導はどんなもの1

どのように栄養指導を受けるの?

栄養指導を受けたい方は、まずは主治医に相談します。
その後、医師から管理栄養士へ指導の依頼を行ってもらい、ご予約を頂きます。
実際の栄養指導の流れは、病院や患者様によって多少の違いはありますが、まず、管理栄養士から食習慣や生活習慣についてお伺いします。
事前に数日分の食事記録をお願いすることもあります。
また、「仕事で夜遅くに夕飯を食べることが多い」、などのライフスタイルや、「足が悪くて買い物に行けない」など、食生活に関わることで困っている事も、お伝え頂くと計画を立てる際に役立ちます。
次に、医師から依頼された目標に達成するために、食事療法をする理由や、実行する事で得られるメリット、目標を達成に必要なプロセスなども説明してもらえるでしょう。
病院の栄養指導はどんなもの2

栄養指導の目標

そして、患者様と一緒になって食事療法を実行できるよう細かく目標を立てて行きます。
何をどのくらい食べたら良いか、調理の方法、食べ方の工夫など、詳しくお話ししていきます。
管理栄養士から、こうすると良いですよ、という提案があった時に、それは出来そうにも無いなぁ、と思った事は素直に言っていただければ幸いです。
別の方法を検討して、実行可能な方法を見つける事が大切ですし、そのお手伝いをできるのが病院の管理栄養士による栄養指導です。
ご自身が調理をされない場合は、ご家族などで調理を担当している方に同席して頂くこともできます。
話を聞いたけれど料理は家族まかせだし分からない、となるよりは、調理や食事の買い出しを担当される方を交える事で、患者様と家族の食事と食事療法を両立させるための方法も考えて行くことができます。
病院の栄養指導はどんなもの3

まずは集団で受講してもらうのも良い

病院によっては、糖尿病教室などの集団栄養指導を行っている所もあります。
こちらは個別の栄養指導とは異なり、同じ疾患を持った患者さんが集まり、食事療法の基本を学ぶことができます。
集団指導に出席されてから、個別指導にて、より詳しくご自身に合った食事療法を相談するのも良い方法です。
病院の栄養指導はどんなもの4

まとめ

このように、病院の栄養指導は、単に情報を得るだけの場所ではなく、個別の状況に合わせて、患者さんと一緒に健康改善に取り組む方法を見つけて行く場です。
毎日の食事は生活習慣病や健康改善と関わりが大きい部分ですので、病院にかかっているけれど、栄養指導を受けたこと無い方、ぜひ主治医に相談されてみてはどうでしょうか。
また主治医から勧められた場合は、“栄養指導って、何を言われるのだろう”と構えすぎず、有効に活用していただきたいと思います。
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。