睡眠不足は肥満のもと?

睡眠不足は肥満のもと?

山田 佳菜絵

管理栄養士

執筆者:山田 佳菜絵

大学卒業後、IT関連企業に3年間勤務。管理栄養士の資格を活かすべく、大手保険会社のヘルスケア事業部門に転職。
管理栄養士として特定保健指導の業務に従事する他、レシピやテキスト、リーフレットの製作や商品開発など多岐にわたり経験を積む。
現在は管理栄養士フォローアップ研修の開催や、保健指導、コラム執筆など幅広く活躍中。

忙しい日々が続くと、睡眠不足に陥りやすくなりますが、睡眠時間は十分に取れていますか? 寝不足で仕事や勉強をしている時、妙に甘いものが食べたくなったり、いつもより食欲が増したりすることはありませんか? 実は睡眠不足と食欲について、深い関係性があります。


睡眠不足と食欲の関係

まずは、睡眠にはどのような役割があるのかみてみましょう。
大きく分けて6つあります。
①脳の休息
②記憶の整理・定着
③疲労の回復
④内臓や筋肉のメンテナンス
⑤ホルモン分泌・調整
⑥免疫機能の維持・調整
そのうち、食欲と関係性があるのが⑤のホルモン調整です。
食欲を抑制するホルモンをレプチン、食欲を増進させるホルモンをグレリンといいます。この2つのホルモンは脳の視床下部に働きかけ、食欲をコントロールしています。
睡眠時間と肥満の関係性を調査する研究において、睡眠時間が短い人と長い人を比較し、それぞれのホルモン分泌量を測定すると、短い人のほうがレプチン分泌量が少なく、グレリン分泌量が多かったと報告されています。
そして、睡眠時間が短い人はBMI(肥満指数)が高いという傾向があるようです。
また、睡眠時間が4時間程だった時に、ケーキやクッキー、アイスクリームなどのスイーツや、ポテトチップスやファーストフードなどの塩気の強いもの、更に、パンやパスタなどの炭水化物を欲する傾向が強いという報告もあります。
これは、睡眠不足によりセロトニンやアルドステロンというホルモンが不足し、甘いものや、塩分の濃いものを欲するようになるからと言われています。
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睡眠不足はメタボの原因となる

他にも、血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの働きも睡眠不足により悪くなると言われており、普段の食事や生活習慣に加えて、糖尿病を起こしやすくする恐れもあると懸念されています。
睡眠不足はメタボリックシンドロームを助長する要因にもなります。
睡眠時間は多すぎても良くないため、一般的には6〜8時間くらいがちょうど良いと言われています。
しかし、睡眠時間を確保できない時もあると思いますし、中々寝付けないということもあると思います。
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そんなときは、お風呂に入って身体の深部を温めることや、なるべくブルーライトなどの光を間近で見ないようにするなどの工夫も必要です。
しかし、食事の摂り方や内容を意識してあげることで、身体への負担を軽減できます。

食欲を抑える食べ方

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王道ではありますが、まず、食べるときはよく噛んで食べることです。
よく噛んで食べることで、レプチンの分泌量が増え、食欲をコントロールすることができます。
また、セロトニンの分泌量も増えますので、しっかり食事をしたと、脳が満足して幸福感を促してくれます。
食材は、トリプトファン、ギャバ、グリシンというアミノ酸を多く含む食事をすることで、ホルモンバランスが取りやすくなり、快眠に誘いやすくしてくれると言われています。
トリプトファンはバナナや鶏肉、魚介類やナッツ類などに、ギャバは玄米や雑穀類に、グリシンはエビやホタテ、イカなどに多く含まれています。

まとめ

睡眠による心身への影響は大きなものです。
人にはホメオスタシス(恒常性)という、体内でバランスを保ちながら身体機能を調整する働きを持っています。
1番は睡眠時間を確保してあげることですが、食事内容や摂り方などを意識してバランスを保ちながら、活き活きと明日を迎えましょう!
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矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。