【管理栄養士執筆】ストレスによる食べ過ぎを防ぐには

【管理栄養士執筆】ストレスによる食べ過ぎを防ぐには

池田 明日香

管理栄養士

執筆者:池田 明日香

大学卒業後、管理栄養士としてSMOに勤務、治験コーディネーター業務に携わる。糖尿病、高血圧の案件を担当。その後、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに従事し、現在は食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなどで活動中。

仕事が忙しい、対人関係で悩みがあるなど、日々の生活でストレスを抱えている時、ふと気がつくと食べ過ぎてしまう…そんなことはありませんか?今回はそんな時に有効な食べ方や、食べる以外のストレス解消方法を管理栄養士が解説します。


はじめに

現代に生活する方は、みんな多かれ少なかれストレスを抱えているものです。
そして、ストレスを感じるとついつい「食べる」ことでストレス発散をしようとしてしまいませんか。
しかし、その繰り返しではいずれ体調を崩したり、メタボな体型となってしまったり、場合によっては糖尿病や高血圧などの原因となることも。
今回は、ストレスを感じたときに何故食べることで解消しようとするのか、食べる以外の方法で良い方法はないのかについて、紹介していきます。

「食べる」ことでストレス発散してしまうのは

物を食べて「美味しい」と感じると、私たちの脳内では、鎮静効果と幸福感を得られる神経伝達物質β-エンドルフィンが分泌されます(※1)。
これが、食べることでストレスが発散される理由のひとつ。ストレスを感じた時に「食べたい!」という欲求が起こるのは自然なことなのです。
しかし、この時欲求のままに暴飲暴食し、それが習慣になってしまえば、肥満を招くことに。この欲求をコントロールするために、まずは、どんな事がきっかけで食べ過ぎにつながっているのか原因を探ってみましょう。
ストレスによる食べ過ぎを防ぐには1

仕事で疲れたり、イライラしたりすると、甘いものに手が伸びる

脳内の神経伝達物質セロトニンは、不安を静め、気持ちを落ち着かせる働きをもちます。
このセロトニン濃度は、糖質の摂取で高まります。疲れたな…と感じた時、甘いものが欲しくなるのは、休息が必要という身体からのサインです。
すぐに甘いものに手を出さず、食べる以外の対策も探してみましょう。

・軽く体を動かす

仕事中なら、少しの時間デスクを離れて歩いてみましょう。トイレに立って軽くストレッチをすれば、体の緊張もほぐれます。
休憩スペースがあれば活用して、温かいお茶を1杯飲むのも効果的。胃に温かいものが入ると、空腹感が和らぎますよ。

・甘いものを食べるなら時間を決めて

作業しながらのダラダラ食いは食べ過ぎの原因に。おやつの時間を決めて、ゆっくりと味わって楽しみましょう。
少量でも満足感が得られるはずです。噛むことで脳が活性化してリラックスするので、ナッツやドライフルーツなど噛み応えがあるものがおすすめです(※2)。

食事制限ダイエット中、突然ストレスが爆発してドカ食いしてしまう

極端に食事量を減らすことや、「りんごダイエット」などといった特定の食品だけを食べるようなダイエットは、心身ともに大きなストレスを与えます。
我慢を重ねるほどにその反動は大きくなり、過食の後悔で更にストレスを溜め、また食べ過ぎてしまうという悪循環に陥りかねません。
ダイエットを辛いと感じているなら、方法を見直してみましょう。
ストレスによる食べ過ぎを防ぐには2

・「ダイエットしてどうなりたいか」を想像する

痩せること自体が目的になると、体重の増減に振り回されてストレスを溜めがちです。
スリムになって洋服を着こなしたい、健康になりたいなど、未来の自分を想像してみると、ワクワクしてモチベーションが高まりますよ。

・まずはひとつだけ実行してみる

あれもこれもと目標を作ると、段々と辛くなってきて長続きしません。まずは何かひとつだけ決めて、コツコツ実行してみましょう。
例えば、「おやつは1日1回」、「毎日体重計に乗る」、「夜は炭水化物を控えめにする」、など出来そうなことを選んでください。
一週間続ければ、習慣になるはず。「私にも出来た!」という成功体験を積み重ねていけば、自信になります。出来た自分を褒めてあげてくださいね。

・「腹八分目」の実践

ご自身では普通の量を食べているつもりでも、知らずに食べ過ぎてエネルギー過剰の状態になっているかもしれません。
お腹がいっぱいになってきたかな…と感じた時が腹八分目。
この感覚を逃さずキャッチするには、ゆっくりと食べることが大切です。早食いすると、お腹がいっぱい!という信号が届く前に食べ過ぎてしまいます。
一口ごとにしっかり噛むことで、必要以上に食べなくても満足感を得られますよ。

ストレスを溜めない生活習慣

・睡眠をしっかり取る

睡眠時間が短いと食欲を増やすホルモン「グレリン」の分泌が増えて、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減ると言われています(※3)。
また、睡眠は身体と脳の疲労をリセットする大切なもの。睡眠中は副交感神経が優位になり、血管が拡張して血流を促し、心身のリラックスにつながります。

・食べる以外の方法を見つける

散歩や軽い運動、映画を観る、本を読む、好きな香りのアロマを楽しむ、お風呂にゆっくり浸かる…何でも良いのです。
心が落ち着く、元気になる方法を見つけておきましょう。
悩み事があるなら、心を許せる人にモヤモヤした気持ちを少し話してみては。聞いてもらうだけで気が楽になるかもしれません。
ストレスによる食べ過ぎを防ぐには3

まとめ

多忙な現代人は、みんな多かれ少なかれストレスを抱えているものです。
幸福感を得られる「食べる」という行為を上手にコントロールして、心身の健康を保ちましょう。
時々なら食べ過ぎても大丈夫。また明日から「腹八分目」を心がけて、食べることを楽しんでくださいね
矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。