注意したい砂糖の中毒性

注意したい砂糖の中毒性

水島 知美

管理栄養士

執筆者:水島 知美

大学卒業後、製薬会社の医療情報担当者として勤務。医療従事者への情報提供や患者さんへの活動支援などを3年間経験。その後、保健福祉施設にて管理栄養士として7年間勤務。高齢者や障害者などの入所・通所者のほか、保育園児の献立作成など、幅広い世代の栄養管理を担当。現在はオンラインでのレシピ作成や健康、栄養関連の執筆などを行っている。

ちょっと時間ができた時や疲れを感じた時など、つい甘いお菓子や飲みものに手を伸ばしてしまいがち。砂糖の多い食品や飲料にはやめられない魅力があります。砂糖は中毒性の高い物質なので、だんだんと摂取量が増え、摂取しないと不安やイライラなどの症状をもたらします。  砂糖の摂りすぎは肥満や糖尿病をはじめ、さまざまな不調の原因になるので、摂り方などに注意が必要です。今回は砂糖の中毒性についてお話し、砂糖との付き合い方や摂りすぎ防止法などもご紹介します。

砂糖の中毒性とは

砂糖はパンやスープなどの加工品や清涼飲料水、調味料などにも含まれているので、砂糖の中毒は必ずしも甘いもの好きの人だけに起こるわけではありません。甘いお菓子や飲みものを食べない人も、無意識のうちに砂糖を摂取しているため、脳がその味を覚えてしまい、また必要だと指令を出して依存症になってしまう可能性があります。
注意したい砂糖の中毒性1

中毒性のメカニズム

 砂糖を摂ると、体の中の消化酵素によってブドウ糖に分解され、血液中に溶け込んで全身を巡り、血糖値を上昇させます。とくに白砂糖は糖の中でも分子が小さいので、血糖値を一気に上昇させます。すると体の中では血糖値を一定に保つためにインスリンが分泌されます。
インスリンは膵臓から分泌される物質で、血糖値を下げる働きがあります。インスリンの分泌によって血糖値が下がると、体の中が低血糖の状態になるので、脳はエネルギー不足だと勘違いをして甘いものを摂る指令をどんどん出します。この繰り返しで砂糖をずっと欲しくなってしまうのです。
また、砂糖の摂取によって分泌される脳内ホルモンの「セロトニン」の働きによって、幸せな気分や癒される気持ちになることも理由のひとつです。この快感がクセになり、繰り返し砂糖を欲するようになります。

砂糖との上手な付き合い方

砂糖は極端に制限をする必要はありませんが、私たちの身の回りには砂糖を含むものが多く、普通に生活しているだけで簡単に過剰になってしまいます。WHO(世界保健機構)の提言では1日の砂糖摂取制限量は25gですが、これはスポーツドリンク(500m)1本ショートケーキ1個アイスクリーム(100g)で簡単にオーバーしてしまう量なのです。
完全にカットする必要はありませんが、砂糖の量に注意をして、できるだけ甘いものを減らすように意識をしていきましょう。

砂糖のとりすぎを防ぐこつ

  1. 家の中の目につきやすい所、手が届きやすい所に甘いものを置かない
  2. 甘いものが欲しくなったらフルーツや芋類などを食べる
  3. ビタミン、ミネラルを多く含む食品で、甘いものをたくさん摂ったときに不足した栄養素を補う
  4.              

  5. 疲れやイライラを感じたときは、休息時間をとったり、軽い運動をしたりして気分転換をする
注意したい砂糖の中毒性2

まとめ

砂糖を必要以上に摂りすぎた食生活を続けると、肥満や糖尿病が心配なだけでなく、うつ病、骨粗しょう症、冷え性、老化を促進させる糖化などの原因になります。毎日食べる習慣になっている人は砂糖の中毒に注意をして、依存症にならないように気を付けたいところです。
POINT
現代の食生活には砂糖を含む食品がたくさんあります。加工食品に添加された砂糖など、隠れた砂糖の量にも意識をして、摂取する量を考えることが大切です。

矢野 宏行

医師 医学博士

監修者:矢野 宏行

糖尿病専門医、老年病専門医。
2006年 日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、国立国際医療研究センター研究所を経て、現在は都内クリニックに勤務。